2024/07/16 遺品整理
ある程度の年齢になってくると、やはり近親者が亡くなるという経験をされる方は少なくありません。
特に一緒に家族と生活している以上、自分や近親者が亡くなる際に様々な手続きをしなくてはいけなくなります。
その最たるものが遺産の整理だとされています。
遺産分与は基本的に法に基づいて適切に家族に分配されますが、場合によっては死亡した方が事前に遺書を残しておく事で、分配配分が大きく変わってくることも珍しくありません。
このような遺言書には種類がありますので、事前にどのような種類があるのか、またどのような違いが出てくるのかなどを把握しておく事がとても大切になります。
自筆遺言書
まず一般的に多くの方が利用する普通方式として、費用もかからず最も簡単に作成できる自筆遺言書があります。
これは公証人や証人が必要なく署名や押印も個人で行えるので、一番手間がかからない遺書方式として多くの人が利用しています。
・特徴
遺言者が全文、日付、氏名を自筆で書き、押印します。
形式を守らないと無効になるため、注意が必要です。
・メリット
自由に作成でき、費用がかからない。
・デメリット
書き方に不備があると無効になる可能性がある。
紛失や改ざんのリスクがある。
・ポイント
全文を自筆で書くことが重要です(パソコンやタイプライターは不可)。
利用する場合注意しなくてはいけないことが作りやすさが元となり、遺書の改ざんや滅失の危険性、遺言書が無効になる可能性もありますので、とても大切な要項を記載しておきたい場合には普通方式ではなく、証人や公証人が必要になる方法を利用する場合も少なくありません。
ただ2019年からは法務局に自筆証書遺言書保管制度が導入され、自筆遺言書の保管を依頼することが可能になりました。これにより遺言書の紛失・亡失のおそれがなくなり、相続人等の利害関係者による遺言書の破棄、隠匿、改ざん等を防ぐことができるようになりました。
詳細は法務局のホームページをご確認下さい⇒自筆証書遺言書保管制度
公正証書遺言
一方で証人が必要で手数料をかけて作る公正証書遺言もあり、このタイプが普通方式の遺言書の中で一番お金がかかります。
・特徴
公証人が遺言者の意志を確認し、公証役場で作成されます。
証人2人以上の立会いが必要です。
・メリット
公証人が関与するため、法的に確実で有効性が高い。
原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざんのリスクが低い。
・デメリット
費用がかかる(公証人の手数料など)。
証人を用意する必要がある。
・ポイント
公証役場での作成時に、公証人が内容を確認し、遺言者の意思を正確に反映するため、法的に有効な遺言書が作成されます。
この遺言書の特徴は自分で遺言書を書くのではなく、代理の公証人によって口述筆記をすることが出来るため、寝たきりの方でも遺言書を用意することが出来、かつ原本も公証役場に預けるため、一番改ざん、隠蔽、噴出の恐れがなく、遺産相続に関して細かな内容を記載したい場合などに利用することが多いです。
秘密証書遺言
自筆遺言書と公正証書遺言の間ぐらいのものが秘密証書遺言です。
・特徴
遺言者が遺言書を作成し、封印した状態で公証人と証人の前で保管手続きを行います。
・メリット
内容を秘密にしたまま、公証人に保管してもらえる。
・デメリット
公証人が内容を確認しないため、形式不備があっても指摘されない。
公証人の手数料がかかる。
・ポイント
遺言書は手書きでなくてもよく(パソコンなどで作成可能)、署名・押印の欄には本人・証人・公証人の3人が必要。
公証役場で封印された状態で保管されるため、内容は遺言者のみが知ることができます。
自筆遺言書とは異なり改ざんの危険性がはありませんが、保存は自分で行う必要があるので紛失の危険性や遺言書が無効になる危険性もあるので注意が必要です。
時と場合により使い分けが必要ですが、一つ言えるのはどの遺言書も種類によってルールを守って作成しないと、効果が無くなる可能性もありますので注意が必要です。
遺品整理中に遺言書を見つけた!絶対開けないようにしましょう
自分たちでご遺品を片付けている際に、故人が生前に書いた「遺言書」を見つけるという場面に遭遇するかもしれません。
遺言書を見つけた場合、注意するべき点がいくつかあります。
まずは遺言書を絶対に開けないようにすることです。
封に押印がされている遺言書を勝手に開封することは、法律によって禁止されています。
ご遺族の方だとしても法律の下により、5万円以下の罰金が課せられます。
故意に開封した場合も、過失であった場合でも課せられるので、注意する必要があります。
遺言書を見つけたらどうすれば良い?
遺言書は種類によって対処が変わってくるので注意しましょう。
自筆証書遺言と秘密証書遺言の2つと、公正証書遺言では少し違いがあります。
まず、すべての遺言書において、見つけたらすぐに家庭裁判所に持って行くことは同じです。
そこで自筆証書遺言か秘密証書遺言だった場合、「検認」を受ける必要があります。
自筆証明遺言は全文を故人自身が全て手書きで書いたもので、秘密証書遺言というのは故人が公証役場で作成した遺言書です。
秘密証書遺言は自筆証書遺言とは違い、パソコンや代筆してもらったものでも有効です。
ここで「遺言書の検認の申立」をします。
検認というのは「相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続」です。
検認を申し立てることができるのは、遺言書を発見した相続人と遺言書の保管者です。
申立に必要な費用は、遺言書一通あたり、収入印紙800円です。
必要な書類を揃えて、検認の申立を終えると、相続人全員に検認の日時が通知されます。
そうすることでやっと、相続人や代理人のもとで、遺言書を開封することができるのです。
しかし、突然の遺言書の発見に驚き、誤って遺言書を開封してしまうかもしれませんよね。
開封してしまった場合でも、そのときの事情を説明して、家庭裁判所で検認を受けるようにしましょう。
相続欠格事由にあたり、相続権がなくなることもあります。
遺言書の扱いには十分に注意するようにしましょう。
公正証書遺言だった場合、検認を受ける必要はありません。
つまりすぐに預貯金を引き出す手続きや、不動産(家や土地など)の名義変更をすることができます。
しかし、見つけた遺言書がどのタイプの遺言書かわからない場合は、家庭裁判所に持っていくようにしましょう。
このように、遺言書は種類によって対処方法がありますので、注意するようにしましょう。
【こちらの記事もおすすめ】